廣田和子記念奨学基金の成り立ちと目的

廣田和子先生

廣田和子記念奨学基金は、勉学の意欲はあるが経済的事情で勉学をすることが困難な学生に、給付型奨学金をお渡しすることを目的として平成29年12月に設立された財団です。
廣田先生は台湾の台南市で誕生され、実業家のご家庭で幸せに成長され、中学からは、内地の神戸女学院に入学し、高校、大学と勉学に励まれました。
しかし、昭和20年8月、第2次世界大戦で日本が敗れ、ご両親他ご家族はすべての財産を失い、身一つで内地に引き上げてこられました。
それからは、先生は、両親、お姉さま、そしてお兄様の遺児が生き延びるために、一日に4つの仕事をして戦後の苦しい時代を懸命に生き抜いて来られました。日が昇る前に起きて菜種油を絞り、それをリヤカーを引いて神戸の街に売りに行き、帰りは食料品や地元で売れるものを買って帰り、朝ご飯を食べてから、仕事に出かけ、夜はまた別の仕事です。
でも、先生はそんな苦労話も楽しそうにされていました。根っから前を向いて歩く人でした。先生はこれまで、物品の販売、その他肉体労働のほか、得意の英語を生かして、通訳、新聞記者、予備校教師、家庭教師、大学教授等々いろんなお仕事をされていました。
石田法子、水田利裕そして松村信夫の3人は、中学生の時、先生に家庭教師をしていただいたご縁で、先生のご意思に沿ってこの財団を立ち上げるお手伝いをしました。先生の教え方は学校の英語の授業とは一味違った授業で厳しくも面白いものでした。
また先生は、外国旅行が大好きで、ふらりとナップサック一つ担いで100か国以上の国にいかれました。南極で自分より背の高いペンギンと向かい合い思わず挨拶をしたお話等楽しい土産話がお上手でした。非常にチャーミングでユーモアのある方でした。
そんな先生の、「戦後の社会にはね、親がいない、親に面倒を見てもらえないため、能力も意欲もあるのに、勉学の機会が無くて、自分の夢を捨ててきた子供たちがたくさんいたのよ。心が痛かったけど、当時の私は自分たちのことで精いっぱいで何もできなかった。だから、これからの子どもたちが、自分の夢に向かって歩いて行ける、その手助けがしたいわ。このお金はね、株取引で面白いくらい当てて儲けたもの。私、案外、博才あるのよ。子ども達のためにばーっと使いましょう」。というお気持ちを形にしたものです。
夢を持ち、それに向かって歩いていくんだという強い気持ちをもつ皆さんのために用意された奨学金です。夢を実現しましょう。

文責 石田法子

役員名簿

代表理事 水田 利裕 平野橋綜合法律事務所 弁護士
代表理事 島尾 恵理 ライオン橋法律事務所 弁護士
理事 鍋本 裕之 平野橋綜合法律事務所 弁護士
評議員 石田 法子 ライオン橋法律事務所 弁護士
評議員 荒木 晋之介 すずかぜ法律事務所 弁護士
評議員 今井 喜美江 元高校教師
監事 松村 信夫 プログレ法律特許事務所 弁護士

定 款

第1章 総 則

名 称

第1条 当法人は、一般財団法人廣田和子記念奨学基金と称する。

主たる事務所

第2条 当法人は、主たる事務所を大阪市に置く。

目 的

第3条 当法人は、学習意欲が旺盛であり、または文化・スポーツでの技能に優れており、かつ健全な精神と高い志を持ちながら、経済的に困窮状態にあるため就学等の環境が整っていない次の者に対し資金援助を行い、将来社会に有為な人材を育成することを目的とする。

  • (1)ひとり親家庭や父母ともにいない家庭及びそれに準ずる家庭の子どもで、大阪府内の学校に学ぶ者
  • (2)父母が揃っていても虐待・ネグレクト等で親の監護を受けられない子どもで、大阪府内の学校に学ぶ者

事 業

第4条 当法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。

  • (1)奨学金の給付事業
  • (2)奨学金の給付対象となった者への支援、補導事業
  • (3)その他、当法人の目的を達するために必要な事業

機関の設置

第5条 当法人は、評議員、評議員会、理事、理事会及び監事を置く。

公告の方法

第6条 当法人の公告は、当法人の主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法により行う。

第2章 財産及び会計

設立者の氏名及び住所並びに拠出する財産及びその価額

第7条 設立者の氏名及び住所並びに当法人の設立に際して設立者が拠出する財産及びその価額は、次のとおりである。

  • 住 所 大阪府豊中市上新田三丁目10番36号
  • 設立者 廣 田 和 子
  • 拠出財産及びその価額  現金 600万円

事業年度

第8条 当法人の事業年度は、毎年12月1日から翌年11月30日までの年1期とする。

剰余金の分配

第9条 当法人は、剰余金の分配を行わないものとする。

第3章 評議員及び評議員会

第1節 評議員

評議員

第10条 当法人に、評議員3名以上5名以内を置く。

選任及び解任

第11条 評議員の選任及び解任は、評議員会において行う。

任 期

第12条 【1】評議員の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までとする。

【2】任期の満了前に退任した評議員の補欠として選任された評議員の任期は、前任者の任期の残存期間と同一とする。

報酬等

第13条 【1】評議員に対して、月額金2万円を超えない範囲で報酬を支給することができる。

【2】評議員には、その職務を行うために要する費用の支払をすることができる。

【3】前2項に関し必要な事項は、評議員会で定める。

第2節 評議員会

権 限

第14条 評議員会は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般法人法」という。)
に規定する事項及びこの定款で定める事項に限り決議する。

開 催

第15条 【1】定時評議員会は、毎事業年度終了後3か月以内に開催する。

【2】臨時評議員会は、必要がある場合は、いつでも開催することができる。

招集権者

第16条 【1】評議員会は、理事会の決議に基づき、理事長が招集する。

【2】理事長に事故があるときは、あらかじめ理事会の定めた順序により他の理事が招集する。

【3】評議員は、理事に対して、評議員会の目的である事項及び招集の理由を示して、
評議員会の招集を請求することができる。

招集の通知

第17条 【1】理事長は、評議員会の開催日の7日前までに、評議員に対して、会議の日時、場所、目的である事項を記載した書面をもって通知を発しなければならない。

【2】前項の規定にかかわらず、評議員全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく、評議員会を開催することができる。

議 長

第18条 評議員会の議長は、評議員会において、出席した評議員の中から選出する。

決 議

第19条 【1】評議員会の決議は、議決に加わることのできる評議員の過半数が出席し、その過半数をもって行う。

【2】前項の規定にかかわらず、一般法人法第189条第2項の決議は、議決に加わることのできる評議員の3分の2以上に当たる多数をもって行う。

【3】理事又は監事を選任する決議に際しては、候補者ごとに第1項の決議を行わなければならない。理事又は監事の候補者の合計数が第23条に定める定数を上回る場合には、過半数の賛成を得た候補者の中から得票数の多い順に定数に達するまでの者を選任することとする。

決議の省略

第20条 理事が、評議員会の目的である事項について提案した場合において、その提案について、議決に加わることのできる評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その提案を可決する旨の評議員会の決議があったものとみなす。

報告の省略

第21条 理事が評議員の全員に対し、評議員会に報告すべき事項を通知した場合において、その事項を評議員会に報告することを要しないことについて、評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その事項の評議員会への報告があったものとみなす。

議事録

第22条 【1】評議員会の議事については、法令で定めるところにより議事録を作成する。

【2】議長及び出席した理事は、前項の議事録に署名若しくは記名押印又は電子署名する。

評議員会規則

第23条 評議員会の運営に関し必要な事項は、法令又はこの定款に定めるもののほか、評議員会において定める評議員会規則による。

第4章 役員及び理事会

第1節 役 員

役 員

第24条 【1】当法人に、次の役員を置く。

  • (1)理事 3名以上5名以内
  • (2)監事 1名以上2名以内

【2】理事のうち2名を代表理事とする。

選任等

第25条 【1】理事及び監事は、評議員会の決議によって選任する。

【2】代表理事は、理事会の決議によって理事の中から選定する。

任 期

第26条 【1】理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終了の時までとする。

【2】監事の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終了の時までとする。

【3】任期の満了前に退任した理事又は監事の補欠として選任された理事又は監事の任期は、前任者の任期の残存期間と同一とする。

【4】増員により選任された理事の任期は、他の在任理事の任期の残存期間と同一とする。

理事の職務及び権限

第27条 【1】理事は、理事会を構成し、法令及びこの定款の定めるところにより、その職務を執行する。

【2】代表理事は、当法人を代表し、その業務を統括する。

監事の職務及び権限

第28条 【1】監事は、理事の職務の執行を監査し、法令の定めるところにより、監査報告を作成する。

【2】監事は、いつでも、理事及び使用人に対して事業の報告を求め、当法人の業務及び財産の状況の調査をすることができる。

解 任

第29条 理事又は監事が、次のいずれかに該当するときは、その理事又は監事を評議員会において解任することができる。ただし、監事の解任の決議は、議決に加わることができる評議員の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければならない。

  • (1)職務上の義務に違反し、又は職務を懈怠したとき。
  • (2)心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
報酬等

第30条 【1】理事及び監事に対して、その職務の対価として報酬等を支給することができる。

【2】理事及び監事には、その職務を行うために要する費用の支払をすることができる。

【3】前2項に関し必要な事項は、評議員会で定める。

第2節 理事会

権 限

第31条 理事会は、この定款に別に定めるもののほか、次の職務を行う。

  • (1)業務執行の決定
  • (2)理事の職務の執行の監督
  • (3)代表理事の選定及び解職
招 集

第32条 【1】理事会は、法令に別段の定めがある場合を除き、代表理事が招集する。

【2】理事会の招集通知は、理事会の日の5日前までに各理事及び監事に発する。ただし、緊急の必要があるときは、この期間を短縮することができる。

【3】理事及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく理事会を開催することができる。

議 長

第33条 理事会の議長は、代表理事がこれに当たる。

決 議

第34条 理事会の決議は、この定款に別段の定めがある場合を除き、議決に加わることができる理事の過半数が出席し、その過半数をもって行う。

決議の省略

第35条 理事が、理事会の決議の目的である事項について提案した場合において、その提案について、議決に加わることのできる理事の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなす。ただし、監事が異議を述べたときは、この限りでない。

報告の省略

第36条 理事又は監事が理事及び監事の全員に対し、理事会に報告すべき事項を通知した場合においては、その事項を理事会に報告することを要しない。ただし、一般法人法第197条において準用する同法第91条第2項の規定による報告については、この限りでない。

職務の執行状況の報告

第37条 代表理事は、每事業年度に4か月を超える間隔で2回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告するものとする。

議事録

第38条 理事会の議事については、法令の定めるところにより議事録を作成し、出席した理事及び監事がこれに署名又は記名押印する。

第5章 定款の変更及び解散

定款の変更

第39条 【1】この定款は、評議員会において、議決に加わることができる評議員の3分の2以上に当たる多数をもって決議することにより変更することができる。

【2】前項の規定は、当法人の目的並びに評議員の選任及び解任の方法についても適用する。

解 散

第40条 当法人は、基本財産の滅失その他の事由による当法人の目的である事業の成功の不能その他法令で定めた事由によって解散する。

残余財産の帰属

第41条 当法人が清算をする場合において有する残余財産は、評議員会の決議を経て、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律第5条第17号に掲げる法人又は国若しくは地方公共団体に贈与するものとする。

第6章 附 則

設立時の評議員

第42条 当法人の設立時評議員は、次のとおりとする。

設立時評議員  水 田 利 裕  荒 木 晋 之 介  藤 下 祥 子

設立時の役員

第43条 当法人の設立時理事及び設立時監事は、次のとおりとする。

設立時理事  廣 田 和 子  石 田 法 子  鍋 本 裕 之

設立時監事  松 村 信 夫

最初の事業年度

第44条 当法人の最初の事業年度は、当法人成立の日から平成30年11月30日までとする。

法令の準拠

第45条 本定款に定めのない事項は、全て一般法人法その他の法令に従う。

  • 平成29年11月20日作成
  • 平成29年11月29日認証
  • 平成29年12月 7日設立